内申点という魔物ァ集立高校ヒエラルキーと呪縛―

2018.12.30 Sunday 16:12
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    ■公立高校ヒエラルキーとステータス

     

    どの地域でも公立高校は、内申評価を基準にしたピラミッド階層を形成しています。地域の一番手校は○○高校で、二番手校は▲▲高校だとの言い方を聞いたことがある人は多いのではないでしょうか。第1回・第3回コラムで既述の通り、公立高校入試はほとんどの高校が同一の試験内容と判断基準で実施されますから、私立高校以上にヒエラルキーが形成されるわけです。

     

    地方都市に行くと、人の学力の度合いを示すにあたり出身大学名よりも出身高校名を持ち出す場面を見かけることがあります。九州では、出身高校の同窓会の結束が固く、紙面一面に高校の同窓会のお知らせが掲載されます。お知らせには、「○○年卒 株式会社××取締役 佐藤太郎 ▲▲年卒 ●×税理士事務所 鈴木花子」のように同窓生の卒年・肩書と共に氏名が大きく掲載されていて驚いたことがあります。こうしたことは、地方都市において全国区の大学名よりも地域の公立高校ヒエラルキーの方がステータスを放っている証です。

     

     

    ■カテゴライズは刷り込みの始まり

     

    中学3年間の内申評価により、子どもたちは、内申ヒエラルキーで構成される公立高校のいずれかにカテゴライズされてしまいます。似たり寄ったりの成績の集団にカテゴライズされることにより、子どもたちは自分が勉強ができる組なのか・まあまあ組なのか・できない組なのかを刷り込まれることになります。

     

    「私立中学入試でも偏差値を基準とした子どもたちのカテゴライズが行われるから同じではないか」という意見もあるでしょう。確かに中学受験塾に通う子どもたちは熾烈な競争を煽られ、偏差値で人を判断する考え方を持ってしまう弊害も持ち合わせています。また、私立一貫校によっては予備校のように徹底した偏差値教育を行い、進学実績を経営の糧としている学校もあります。その一方で、私立一貫校は校風や教育方針が公立よりも多様であり、私立一貫校の生徒たちは、6年の一貫した時間の中で偏差値教育以外の基準や世界を見つけられる可能性があります。

     

    高校生になって具体的な進学先を決める際に、「自分の高校からだとこのあたりの大学が限界かな」と漠然と考えたことはありませんか。大学受験は基本的に実力勝負ですから、どこの高校であっても本人のやる気と頑張り次第で難関大学に合格することは可能なはずです。実際に底辺校と言われる高校から一念発起して難関大学に進学した生徒はいるでしょう。しかし、残念ながらこれは稀有なケースです。確かにヒエラルキー中位・下位の高校には相対的に優秀な生徒が少ないため、進学実績が高くありません。しかし、前回のコラムで脳の発達について述べたように15歳以降に勉強の能力が開花する生徒は少なくありません。自分の能力からではなく、通っている高校の位置づけから進学先を決めることは自らの可能性を失うことでもあります。

     

    自分は勉強ができない組だ(もしくは苦手だ)という思い込みが、能力の開花と将来の選択肢を奪ってしまっているとしたら…。

     

    中学3年間の内申点が大人になるまで人生のレールを敷き続けてはいけません。人生は80年とも100年とも続くかもしれないのですから。

    category:内申点という魔物 | by:理科塾comments(0) | -
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